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部下へのコーチング

コーチングという技術が一般化してきた背景には、ビジネスにおいて顧客ニーズを汲み取ることがたいへん重要になってきていることが挙げられます。

単に顧客から伝えられる顧客ニーズだけではなく、顧客自身も気づいていない潜在的なニーズを汲み取ることも必要です。

こうした顧客と最も頻繁に接するのは、営業の最前線にいる若手の社員です。

したがって若手の社員が顧客ニーズを汲み取る能力を持たねばならないのです。

若手社員へのコーチングは、部下にこうした能力を持たせることにつながります。

若手の社員が営業の最前線からもたらす新鮮で重要な情報を上司は的確に吸い上げ、最善の対応をしなければなりません。

この関係には従来のような指示命令下達型の上下関係はありません。

むしろ問題点を共有し、ともに知恵を絞り判断を下す共生型の関係が重視されるといえるでしょう。

コーチングは、コミュニケーションスキルですから、その中心には、相手の話を聞くこと、自分が話すことがあります。

相手の話を聞くということだけをとっても、部下の話を聞くときの態度、目の動かし方、話のポイントのとらえ方、相槌の打ち方など、コーチングスキルといわれるものは多種多様です。

さらにコーチングでは話すスキルについても様々なポイントがあります。

中でも最も重要なのが、相手に質問するということです。

コーチングにおける質問は、相手に答えを言わせることに主眼があるのではなく、質問を投げかけることによって、相手がその問題についての答えを導けるようにフォローすることにあります。

もちろん、その答えは、質問する上司にもわかりません。

むしろ思いもよらない答えを期待するのが自然です。

このコーチングが共生型のコミュニケーションであるといわれる所以です。

質問の仕方にもテクニックがあります。

コーチングでは、「あなたは、この書類を仕上げるために何日かかり、そのために何を必要としますか。」といった質問の仕方が求められます。

これはオープン型の質問といわれるもので、相手は質問に対して自分で答えを見つける作業が必要になります。

対して「あの書類はできたのか」という質問の仕方があります。

これはクローズ型の質問といわれます。

部下はイエスか、ノーでしか答えられません。

そしてノーである場合、上司の反応も「早く仕上げろ」「何故できない」といった答えになりがちです。

これでは部下に考える力は育ちません。

このようにコーチングは共生型のコミュニケーションを行うためのコミュニケーションスキルの集大成です。

そのスキルは、どんどん積み上げられ進化していきます。

したがってコーチングを学ぶためには、コーチングについて書かれた本を読んだり、研修を受けたりすることとともに、常にそれを実践し、新たな知識を仕入れる努力が必要なのです。